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[2025年1月5日]ジョージア語雑感(パンとチーズとワイン)

 2025年が始まりました。ジョージアをはじめて訪れたのが1995年ですから、丸三十年になります。日本もそうですが、大きく変わったところとあまり変わっていないところ、そして、これからどうなっていくのかなど、年初にいろいろと感じることがあります。とりわけ昨年秋からの社会状況については未だにうまく考えがまとまりません。ともあれ12月29日の混乱がひとまず避けられたこと、祝祭と様々な政治的な意思表明が混じる現在のジョージアの姿をネットなどで見ています。

 他方、地道にこの国や地域を理解する必要があると痛切に感じます。特徴的な言葉や文化の魅力も伝えたいところですが、言葉を教える際にも、本当に日本人にはたいへんです(だから面白いのですが)。

 たとえば、ジョージアといえばキリスト教とが多くを占める国で、その伝統的な食文化を知るにはパン・チーズ・ワインがいわば三種の神器です。これはそれぞれ、პური, ყველი, ღვინოとなります。カタカナにすると、パンはプリ、チーズはクヴェリ、ワインはグヴィノですが、カタカナはまさしく似て非なるもの。

 プリといっても、ジョージア語には声門を閉鎖して発するプの音と、開放して発するプの二つの音があります。日本人の苦手なl(エル)とr(アール)の違いもあり、さらに「ウ」の音をきちんと発さなくてはなりません。実はパンこと「プリ」の発音だけでも一苦労。しかも、声門閉鎖の音と、エルとアールを間違えると、なんとパンではなくて、「お金」の意味になってしまいます。

 チーズこと、クヴェリにいたってはもっとたいへん、日本語でかきくけこで表される音が三種類(数え方では四種類以上)もあるからです。長くなるのでまた別に記します。

 ただ、こうした政治情勢であるからこそ、繰り返しですが、地道にその歴史と文化を学んでいきたいものです。


写真はスラミ聖ギオルギ教会、東西ジョージアを分けるリヒ山系の要衝で映画「スラム砦の伝説」でも知られる場所です。2000年旧正月の前日の写真です。




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