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[2024年12月10日]オープンユニバーシティー講座ジョージアの歴史VI第三回カヘティ編(12月4日開催)

先週水曜日は東京都立大学オープンユニバーシティー講座ジョージアの歴史VI第三回カヘティ編でした。タイトルは「カヘティ・「レヴァン国」の繁栄」。16世紀に半世紀以上にわたって最東部カヘティ地方を支配したレヴァン王の事跡を中心に講義を行いました。


カヘティは伝統的に王権が強く、また、外交上手で知られました。レヴァン王は特にイラン(サファヴィー朝)、トルコ(オスマン帝国)、ロシアなどの間でうまく立ち回り、カヘティの最盛期を現出しました。


文化遺産としては新シュアムタを取り上げました。レヴァンの妃であるティナティンが建立し、現在も女子修道院として知られます。建物はとても優雅で、HPでは修道院で作られる様々なかわいらしい人形などもイコンとともに紹介されています。


私がはじめてカヘティを訪れた1995年には外国人は本当に珍しい存在でした。日本でこうした情報に英語で触れることが出来るようになったのはまったく隔世の感です。


それでもまだまだ日本語では情報が不足しており、まったく間違った「アクハリ教会」の名ででてきます。そのうちに修正されると思いますが。


さて、現地の情勢は相変わらず強い緊張に包まれています。政府は強硬な姿勢をますます強めており、デモ隊の押さえ込み、野党指導者の逮捕の他、マスクなどの禁止や公務員の「再編成」発言など、反対派への圧力を強めていますが、一度火がついた市民の怒りは簡単には収まらないでしょう。昨日、公共オンブズマンと面会したアメリカ大使の顔もたいへん険しいものでした。短期的には正月やクリスマスまでこうした緊張が続く可能性があります。


私は常にジョージア・コーカサスを「世界情勢の映し鏡」であり、「世界情勢を先取りする地域」と規定してきました。様々なところでもそのように述べてきました。

21世紀が25年目を迎えようとしている中、アメリカ、シリア、韓国、、、予測不能な未来をまたしてもジョージアが先取りしているとすれば、それはとても複雑な感情を個人的に呼び起こします。


写真は16世紀のカヘティを代表するグレミ教会のフレスコ画。中央で寄進する教会を手に持つのがレヴァン王。ちなみにレヴァン(レヴァニ)は黒海、栃ノ心というジョージアを代表する二人の関取の本名でもあります。




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